宿泊・トラベル・レジャー用語辞典

ダイナミックプライシングとは

ダイナミックプライシング(以下DPと呼びます)はホテルの客室料金や航空会社の座席価格を需要に応じて変動させることを言います。繁忙期には価格を上げて売り上げを更に伸ばせますし、逆に閑散期には価格を下げて集客改善を狙います。これを年間通じて効率的に行うことで、一定価格で販売するよりも収益を最大化させることが出来ます。時期によって需要の差が出やすい宿泊業や旅客業では昔から経験に基づいた需要予測を立てて機会損失を回避するレベニューマネジメントと呼ばれる収益管理が進められていましたが、DPは需要予測に関する部分を更に高度化させたものと捉えることが出来ます。過去の販売実績や残り数のデータだけでなく、周辺のイベント状況や天候、消費者の動向や市況、SNSなどの情報も取り込んだビッグデータからAI(人工知能)が最適な価格をリアルタイムで弾き出す仕組みです。AIに判断させるにはこれまで数値化されていなかった「人気」や「天気」などのアナログ的な情報もすべて数値に置き換えることが必要です。この手法によって総合的に得られた価格は、いわゆるぼったくり価格とは違い、予約が集中する日や人気エリアの宿泊価格が高くなっても納得出来る根拠を含む客観的な金額であると受け取られます。海外のプロスポーツ観戦チケット予約などですっかり定着している手法です。DPで算出された料金はリアルタイムに反映させることが可能なので、インターネット予約サイトとの組み合わせがとても相性が良く、コンサートチケットや駐車場料金、Uberなどタクシーの迎車代にも適用が広がっています。
宿泊業界で最初にDPを導入したのは民泊の仲介サイトで世界最大手のAirbnbです。ここではリスティングと呼ばれるホテルのあらゆる情報(客室説明文やルール紹介、アメニティの内訳、内外観の写真など)に評価基準を設けて宿泊客にチェックしてもらい数値化します。そのデータに加えて従来から活用されていたシーズンデータやチェックインまでの残り日数などの情報を組み合わせて推奨価格を算出する仕組みが革新的であると注目され、シェアを大きく伸ばしました。
株式会社「空」が提供しているMagic Priceというシステムは、需要予測から毎日の客室料金を提案するレベニューマネジメント型の仕組みですが、宿泊予約システムを経由した場合の料金の反映や、周辺のイベント情報を加味するなどダイナミックプライシングの要素も一部組み込まれています。一方、メトロエンジン株式会社はホテル業界のDPを手がけるパイオニア的な存在で、競合ホテルの価格や宿泊体験者からの評価、外国人客の動向やイベント情報などからAIが最適な宿泊価格を算出するツールを提供しています。レベニューマネージャーが数多く抱えていた仕事量や精度に関する問題を軽減でき、人件費の削減と収益の向上に繋がるとしています。
当初は熟練経験者の需要予測から始まったレベニューマネジメントですが、ビッグデータとAIの分析力を活用したDPの力を借りて更に精度の高い予測と適切な価格設定を短時間のうちに算出することが可能になってきたのです。
収集されたビッグデータはあらゆる角度から切り出して再集計することが可能で、ホテルを新規開拓する際のリサーチや自社施設の稼働状況についてもこれまでより詳しく把握することが出来ます。
このように普及が進んでいるDPにも課題は残されています。実行するためには詳細なデータを逐一入力していく必要があり、パラメータが増えるほどその作業が煩雑になりがちです。他にも突発的な事故やシステムエラーなどで対応出来なくなるリスクを潜在的に抱えていること、価格変動の上限と下限を設定するときにそれが適切でなければ売上げの最大化に繋がらない、などが挙げられます。一度導入してしまえばあとはお任せというものではないため、システムの開発側だけでなく、運用する側も改善に向けて継続的な努力と工夫が求められますし、算出された価格に対して最終決断を下せる経験とセンスも問われます。

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