ホテルの従業員の配置は、清掃、厨房、フロントなど多くの部門に分かれて構成されています。今回はあまり知られていないレベニューマネージャーの仕事について詳しく解説していきます。
レベニューマネージャー(レベニューマネジメント)とは
マネジメントの手法には、レベニューマネジメントとダイナミックプライシングと呼ばれるものが存在します。
レベニューマネージャーの役割は、販売量と販売価格をコントロールし、ホテルの利益が最大限拡大するようマネジメントすることです。レベニューマネジメントとは利益の最適化を図る戦略のことを指しており、実際に業務に携わるスタッフをレベニューマネージャーと呼んでいます。レベニューマネージャーは、ホテルの組織の中では管理部門、マネジメント部門に属していることがほとんどで、企業によってはジェネラルマネージャー直属であったりもします。
またさまざまな角度から分析を行って収益を生み出す努力をするとともに、戦略を立てて実行した結果が数値として現れるよう務めなければなりません。その結果、ホテルの売上に対する効果は全体の売上に多大な影響を及ぼすものであり、宿泊業界内ではレベニューマネージャーの戦略で売上が3%~5%程度変わってくるとも言われています。そのため利益に直接影響を及ぼすレベニューマネジメントは企業側からは重要視されている戦略の一つであり、管理者であるレベニューマネージャー自身もとても大切なポジションとして捉えられています。
ホテルのダイナミックプライシングとは
身の回りで様々なところで活用されるダイナミックプライシングは、過去や競合、そして環境などの膨大なデータから需給バランスを推測し、そこからホテルなどの価格を変動させることで収益の最大化を狙う価格設定方法です。
一年を通して均一価格のものがある一方で、土日祝日やシーズンのオンとオフで価格が変わるものもあります。ダイナミックプライシングの場合はそれだけでなく、毎日のレベル、さらに毎時間のレベルであらゆる価格変動要因(競合の在庫、天候、イベント情報、レビューなど)をもとに、自社にとって最適な価格を継続的に設定するITシステムを活用した手法です。
ホテルのレベニューマネージャーの仕事内容
ホテルのレベニューマネージャーは、販売価格と販売量をコントロールし、売上を最大化することを目的としてマネジメント業務を受け持つ重要なポジションとして認知されています。
レベニューマネージャーの仕事内容は、プランニングを行い実行した結果を元に分析することで、改善点や修正すべき箇所を見つけ出して新たな戦略を立てたりします。客室の安定した供給ができるよう努めるとともに、過去のデータや周辺のホテルの動向から今後の運営方針について決定したりします。
まずプランニングでは”計画を立てる”ことから始まり、需要の変化やホテルの客室数などに応じて細かく分析を行った結果から各ホテルに最も適した計画案を作成します。客室の数はホテルによって異なりますが、具体的にはゴールデンウィークや年末年始、花火大会などの宿泊客が多く訪れる時と、特にイベントのない平日では空室の状況が変わってくるので、その差を少なくするよう務めます。計画案を元に実行に移すわけですが、その後の実際の結果を元に分析を行うのです。もし計画案で売上アップに繋がったとしても年々状況は変化していくので、細かい変化にも目を光らせて常に試行錯誤していかなければなりません。
また客室の利用料金についても稼働率のデータから調整を行い、繁忙期には金額を高く設定したりもします。時期によっても利用料金の調整を行って、常にホテル側に安定した収益が出るように計画を立てなければなりません。
さらに周辺地域のホテルの動向や価格などについても調査を行い、最大限の利益を生み出せるようホテルの運営方針を決定していきます。
このようにレベニューマネージャーはホテルの運営に関わる多くの業務を任される仕事ですが、しっかりとレベニューマネジメントで成果を上げることが、利益の最大化を図る上で自身の腕の見せ所なのです。
ホテルのレベニューマネージャーの給料(年収)
ホテルのレベニューマネージャーの給料(年収)はどのくらい?
年収 | 400万円~700万円程度 |
月収・月給 | 30万円~50万円程度 ※賞与は別 |
日給 | 15,000円~25,000円程度 ※一か月あたり20日働いた場合で計算 |
時給 | 1,800円~3,000円程度 ※一日あたり8時間働いた場合で計算 |
レベニューマネージャーの年収は400万円~700万円程度です。月収は30万円~50万円程度となっており、ホテルのスタッフの中でも比較的高い給料が設定されています。
またレベニューマネージャーは日中の業務であるため深夜勤務になることはありませんが、場合によっては残業になるケースもあります。その場合は時給の1.25倍の金額が給料に加算されます。
賞与については支給している企業が大半を占めており、年収や月収、時給と同様に他のスタッフに比べて金額が高く設定されています。
ホテルのレベニューマネージャー手の当(深夜・残業など)/賞与・ボーナス
ホテルのレベニューマネージャーの仕事は日中であるため、深夜勤務になることはありません。ですが状況に応じて残業になるケースもあり、その場合は時給換算された金額の1.25倍の金額が月収に加算されます。また賞与に関しては支給している企業が大半です。各部門と比べて給料が比較的高いのもレベニューマネージャーの特徴の一つと言えるでしょう。
ホテルのレベニューマネージャーの勤務形態/働き方
ホテルのレベニューマネージャーの勤務時間は、残業がない場合だと8時間程度です。また休憩時間については、6時間以上の労働に対しては1時間以上の休憩時間を設けるよう法律で定められています。休日に関しては週に2日程度でとなっており基本的には土日が休みです。また他の部署と比べると給料、年収が高い上に働きやすい環境が整っている点はメリットといえるでしょう。
なお、ホテルのレベニューマネージャーの勤務場所は、ホテル内ではなく企業オフィスになります。場合によってはホテルの支配人との打ち合わせの際に出張することもあるため、常にオフィスでの作業となるわけではありません。
ホテルのレベニューマネージャーの雇用形態
レベニューマネージャーの雇用形態は正社員又は契約社員のみとなっており、アルバイトやパートでの募集はありません。
レベニューマネジメントはホテルにとって利益を追及する上で重要な役割であるため、アルバイトやパート、派遣社員での募集は行っていないので注意が必要です。
また企業によっては契約社員から正社員に登用されるケースもあるので、契約社員からステップアップを目指すのであれば面接の際や求人情報で確認しておくとよいでしょう。
形態 | アルバイト・パート | 契約社員 | 派遣社員 | 正社員 |
募集 | なし | まれにあり | なし | あり |
ホテルのレベニューマネージャーになるには
ホテルのレベニューマネージャーになるにはどうすればいいの?
レベニューマネージャーになるには、チームマネジメント経験やレベニューマネージャーとしての実務経験が必要です。
企業によってはレベニューマネージャーの経験がなくても採用されるケースもありますが、基本的には実務経験が必須となっています。
レベニューマネージャーは、個人の能力や経験によっては管理職としてホテルの売上に貢献することも可能となっています。レベニューマネージャーとして経験を積んで企業側に評価されると、管理職へのステップアップもあるためホテル全体を統括する立場を目指すことも可能なのです。
新卒採用でレベニューマネージャーの職種が募集されることはあるの?もしくは経験者や中途採用だけ?
レベニューマネージャーは基本的には新卒又は未経験者の採用はなく経験者の中途採用が一般的です。
そのため新卒や未経験からレベニューマネージャーを目指すのであれば、マネジメントの基本的な知識を身に着け、実務経験を積むことが重要になります。
ホテルのレベニューマネージャーに採用されるのに必要なスキルや、経験や資格はあるの?
レベニューマネージャーに必要な資格は基本的にはありません。ですが経験やスキルに関しては他の部門に比べると多くあります。ホテルによって違いはありますが中途採用の場合、語学スキルやレベニューマネージャー経験、コミュニケーション能力などが必要となるケースが多いです。
そのため新卒や未経験の場合は、専門学校でスキルを身に着けるか、独学でマネジメントについて勉強しておくのも一つの手段といえるでしょう。
ホテルのレベニューマネージャーに採用されるために必要なスキルや経験は、
- マネジメント又はチームマネジメント経験
- パソコンの基本操作や語学スキル
- コミュニケーション能力
- 新規事業立ち上げの経験
- フロント、宿泊予約の経験
などが挙げられます。
ですが企業によって必要なスキルや経験は異なるため、求人募集要項をしっかりと確認しておきましょう。
ホテルのレベニューマネージャーのやりがい/大変なこと/向いている人
またレベニューマネージャーは、ホテルの利益の管理に関する業務に直接的に関わる立場です。
レベニューマネジメントは過去のデータ、近年の動向から最も最適な手段で利益の最大化を図るため、経験が浅いうちは仕事内容を覚えるまで大変な仕事です。
ですが自身の運営方針次第ではホテルの売上に大きく貢献できるので、数値として成果を実感しやすく、やりがいのある仕事でもあります。
またレベニューマネージャーは経営戦略を立てることが重要な役目となっていることから、マネジメント業務に興味があり責任感の強い人にはとても向いている仕事と言えるでしょう。
ホテルのレベニューマネージャーの仕事に就職・転職するための方法や求人募集の探し方
採用の可否で重要になるのが、就職面接や履歴書、職務経歴書です。年収についても聞かれることがあるので、自身の希望があれば伝えておく必要があります。特に志望動機に関しては事前にしっかりと内容を考えておく必要があります。
求人情報については、職業安定所やインターネット内の転職サイトを利用すると良いでしょう。
面接で志望動機を聞かれたりしたときや、履歴書や職務経歴書作成のコツ
就職面接では志望動機のほかに、今までの経歴や取得している資格などについて質問されます。また年収や給料面についても聞かれることがあるので、自身の希望があれば伝えておくと良いでしょう。
質問事項の中でも重要となるのが志望動機であるため、事前にしっかりと内容を考えておく必要があります。特にレベニューマネージャーの仕事は、ホテルを運営していく上で企業側からしても重要なポジションと捉えられているため、安心して業務を任せられる人物でなければなりません。
そのため就職面接の他にも、履歴書や職務経歴書の記載内容も重要となっており事前に書類選考があるケースもあります。その場合は書類選考で合格しなければ就職面接を受けられませんので、記述する際は誤字や脱字がないように注意しましょう。
ホテルのレベニューマネージャーの求人募集や就職・転職情報はどうやって探せばいいの?
レベニューマネージャーの求人は、各都道府県にある職業安定所や路上やコンビニなどで手に入る転職サイトで探すことができます。職業安定所で求人情報を検索する場合は施設内のコンピューターを使用します。さまざまな職種の求人が閲覧可能となっており、アルバイトやパート、正社員などの働き方に分けて検索することも可能です。また求人募集に応募する場合はハローワークの求職者登録をする必要があり、未登録の場合は応募できませんので注意が必要です。応募時には窓口に書類を提出したのち、ハローワークの職員の方が企業に電話でやり取りを行ってくれます。また書類選考や面接が決定した場合には、職業安定所から紹介状を発行してもらえるので無くさないように注意しましょう。
次にインターネットを利用して求人情報を検索するには、転職サイトを利用すると効率よく就職活動ができます。転職サイトにはさまざまな種類があり、特定の職種のみ掲載しているサイトやすべての職種を扱っているサイトなどがあります。どのサイトにおいても求人募集に応募する場合には会員登録が必要となっており基本的には無料で登録できます。自身の使いやすいサイトが見つかれば、いくつかの転職サイトに登録しておくのも良いでしょう。
ホテルの売上を左右する重要なポジションであるレベニューマネージャー。頑張りが数値として現れるため、常にやりがいを感じられる仕事の一つといえるでしょう。
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もちろん転職やお金が全てではありません。今いる環境や同僚なら長時間労働や低年収もガマンできるという考えもあります。
ただ、まだあんまり熱心に転職を考えたりはしてないけど、「一応、今の自分のキャリアだとて世の中的にはどの位に評価されるのか?年収・条件のアタリマエってどの程度なのか?は興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
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