ホテルのソムリエという職業は、レストランでのワインのサービス以外にも、多くの仕事・業務をこなす仕事です。その分やりがいのあるホテルのソムリエの仕事内容や、給料・年収、転職情報について紹介します。
ホテルのソムリエの仕事内容
ホテルのソムリエの仕事内容は、レストランのワインサービスに加え、ホテル全体の飲料売上を管理する仕事です。その業務は、レストラン内だけではなく、宴会の飲料管理やホテル内イベントのプロデュースまで多岐に渡ります。
まず、ホテル内のレストランで、料理と合うワインや飲料のサービススタッフとして働くのが主な仕事内容です。来店されたお客様に食前酒のサービスをし、料理が決まれば食中のワインをおすすめします。食事後は食後酒のサービス、レストランによっては葉巻のサービスもソムリエが担当する場合があります。ソムリエが扱うのはワインだけと思われがちですが、水やカクテル・ソフトドリンクなど、全ての飲料サービスを行うのがソムリエの業務です。
一見華やかに思われるホテルのソムリエの仕事も、事務作業などレストラン外の業務が多いのが特徴です。レストランの営業時間外は、ワインの在庫管理や、売上や原価率の計算、ワインの仕入れ、ワインリストの作成など、デスクワークもたくさんあります。また、ホテルはワインや飲料の仕入れを購買部が一括で行います。購買部は地下にある場合が多く、購買部で仕入れてもらったものを、地下から上層階のレストランまで何度も往復して運び、レストラン内のワインセラーや冷蔵庫に収納する肉体労働も、毎日行います。
ホテルソムリエとレストラン等のソムリエの違い
街場のレストランやバーのソムリエが、そのお店の飲料売上のことだけを考えていればいいのに対し、ホテルのソムリエは、ホテル全体の飲料売上を管理しなければなりません。ホテル内で飲料の売上を作る部門は、レストランだけではありません。宴会部門やブライダル、ラウンジやルームサービスでもワインや飲料を販売します。ホテルのソムリエは、自分が担当するレストランだけではなく、他の部門の飲料業務も全てプロデュースします。
ホテル内では、毎日のように企業の宴会や結婚式の披露宴が行われています。予算に応じて、また供出される料理に合わせて、どんなワインや飲み物を提供するのか決めることも、大切なソムリエの業務となります。その他にも、ホテル内で開催されるイベントの飲料プロデュースも重要な仕事です。大きなホテルでは、ソムリエの元に、毎日山のような宴会・イベントの飲料プロデュース依頼が届くこともあります。それらをこなしながら、レストランの営業もこなします。
ホテルのソムリエの給料(年収)
ホテルのソムリエの給料(年収)はどのくらい?
ソムリエは特殊な職業ですが、ホテルのソムリエだから給料・年収が高いということはありません。ソムリエと言っても、ホテルに就職するホテルマンという扱いになりますので、ホテルマンの平均的な給料・年収と同じです。
年収・月収は、平均的なサラリーマンの年収・月収と変わりありません。時給に換算すると、深夜アルバイトの時給や建設現場アルバイトの時給と同じようなものです。
年収 | 300万円~400万円程度 |
月収・月給 | 20万円~25万円程度 ※賞与は別 |
日給 | 10,000円~12,500円程度 ※一か月あたり20日働いた場合で計算 |
時給 | 1,250円~1,560円程度 ※一日あたり8時間働いた場合で計算 |
ホテルのソムリエの手当(深夜・残業など)や賞与/ボーナス
ソムリエ資格を持っている場合、手当が給与に加算されることもあります。その場合、給与に2〜3万円プラスが相場です。夜勤を行うことはあまりないですが、業務が22時以降に及ぶ場合、深夜手当が給料に反映されます。
ボーナスは給与◯ヶ月分というように、ホテルの規定に応じて支給されます。また、特に外資系ホテルに多いのですが、売上の達成比率に応じてインセンティブ『賞与』が支給される場合もあります。残業量によって給料・年収が大きく変わります。
ホテルのソムリエの勤務時間/残業/シフト/休み
ホテルのソムリエは、基本は8時間労働です。休憩は60分取ることができます。出勤時間が遅いのが特徴で、昼前や昼以降の出勤が多くなります。
ただしレストランが忙しい日は、残業することがあります。残業するかどうかはレストランのお客様次第です。
ホテル内のレストランの営業は21時に終わることが多いのですが、お客様が21時を過ぎても食事をしていて、他のスタッフにそのお客様を任せることできない場合、残業になることがあります。
基本的には深夜の仕事はありませんが、翌日にレストランウエディングの予約がある場合は、スタッフと共にセッティングを深夜に行うことがあります。
休みは月8回ありますが、シフト制なので土日は出勤です。また、レストランが忙しい土日は休みを取ることが難しいです。
10:00〜24:00の間でシフトを組まれますが、ホテル内のレストランによっては、ソムリエはランチ営業には参加せず、ディナーのみホールに出るようにしている所もあります。その場合は、14:00〜23:00のようなシフトが組まれます。
ホテルのソムリエの雇用形態
ホテルのソムリエの場合、パート・アルバイトでの求人募集はまずありません。
高いホスピタリティと専門的な知識・スキルが求められ、パート・アルバイトには責任が重い職種になりますので、正社員・契約社員での求人募集がほとんどです。
基本的にホテルのソムリエは専門職の要素が強いので、パート・アルバイトで務まるものではないというのがホテル側の認識です。ホテル内の飲料の全責任を負わなければいけないポジションなので正社員が基本です。
まれに、とてつもなく素晴らしいキャリアを持ったソムリエが派遣社員として派遣されてくる場合がありますが、これはかなりレアなケースです。
形態 | アルバイト・パート | 契約社員 | 派遣社員 | 正社員 |
募集 | なし | あり | まれにあり | あり |
ホテルのソムリエになるには
ホテルのソムリエになるにはどうすればいいの?
日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格があって中途採用なら、インターネットの求人募集サイトで応募します。資格のない場合は、新卒・中途採用ともに、まずホテルに正社員で就職してレストランに配属されてスタートです。
ホテルのソムリエになるには、ホテルのレストランでウェイターとしての経験を積みながら、ソムリエ資格の取得を目指すことになります。ソムリエは、料理やサービスの知識・スキルがあることが前提の仕事です。資格をすでに持っていて転職する場合を除き、新卒採用でも中途採用の場合でも、いきなりソムリエになることはできません。まず、ホテル内レストランに配属されます。ウェイターとして最低限の知識とスキルを身につけた次のステップの職種が、ソムリエです。
ホテルのソムリエになるのに必要な経験/資格/試験
採用されるには、日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格が必要です。資格は民間のワイン学校・ワインスクールで勉強することもできます。また、ソムリエ資格を取るには最低3年以上の飲食店勤務経験が必要なので、採用に際してウェイターのスキルや知識を持っていることが求められます。
フランス料理、イタリア料理、和食、中国料理など、ホテル内レストランの各ジャンルの料理に関する知識も求められます。また、ホテルに就職することになりますので、ホテルマンとしての適性検査や、英語の採用試験が課される場合があります。
ホテルのソムリエのやりがい/大変なこと/向いている人
一本数百万円する高級ワインを扱ったり、宴会やブライダルなど大きな金額を動かす仕事に携われるやりがいがありますが、その分責任も重いです。
ワインが好きなだけではなく、数字の管理ができる人に向いています。
ホテルのソムリエの仕事に就職・転職するための方法や求人募集の探し方
ホテルのソムリエの面接で志望動機を聞かれたりしたときや、履歴書や職務経歴書作成のコツ
ホテルのソムリエは、あくまでホテルに就職するホテルマンです。新卒の面接では、ワインの知識やスキルを求められることはなく、ホテルマンとしてふさわしい人間性かどうかを見られます。新卒・中途にかかわらず、履歴書には飲食店の勤務経験だけではなく、すべての職務経験を記入しましょう。転職を含め、色々な仕事を経験をしている方が、人間としての幅があると見てくれ、採用されやすくなります。
高い人間性と売上を上げる能力を求められる職種です。面接で聞かれる志望動機として、お客様に喜んでいただくことが自分の生きがいであることや、自身をソムリエとして雇った場合、ホテルの売上にどれだけ貢献できるかをアピールすることが、面接を通過し採用されるためのコツです。
自分目線ではなく、お客様目線・ホテル側の目線に立った志望動機を話すようにしましょう。また、就職を希望するホテルの良いところ、好きなところを志望動機として話すのも良いです。
ホテルのソムリエの求人募集や就職・転職情報はどうやって探せばいいの?
インターネットで随時、求人募集されています。就職・転職情報に困ることはありません。一番良い方法は、ソムリエとしてホテルに勤務している知り合いや、ホテルマンに紹介してもらって転職することです。インターネットで求人募集されていないホテルへの就職も可能ですし、就職後の待遇もよくなる場合があります。
ソムリエの仕事をするならホテルが最高峰です。ホテルはお客様の層が高いため、扱うワインの種類や質も高くなります。やりがいも大きいので、ぜひホテルのソムリエという職業を検討してみてください。
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もちろん転職やお金が全てではありません。今いる環境や同僚なら長時間労働や低年収もガマンできるという考えもあります。
ただ、まだあんまり熱心に転職を考えたりはしてないけど、「一応、今の自分のキャリアだとて世の中的にはどの位に評価されるのか?年収・条件のアタリマエってどの程度なのか?は興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
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